徳川家康の最初の側室といわれるお万の方。
「おこちゃ」「小督局」「長勝院」などと呼ばれることもありますが、どんな人物だったのでしょうか？
今回は家康の側室・お万の方の生涯や子どもについて、また大河ドラマ「どうする家康」ではどう描かれるのかリサーチしました。
家康の側室・お万の方（おこちゃ）とはどんな人？
徳川家康が生きた時代。
当時は、男の人が多くの側室を持ち、子供を作ることが普通の時代で、家康にも、20人もの側室がいたとされています。
NHKの大河ドラマ、「どうする家康」では、お葉が最初の側室として登場しましたが、今回ご紹介する「お万の方」とはどのような女性だったのでしょうか？
通称「おこちゃ」
お万の方は、
- 於古茶（おこちゃ）
- 於万の方（おまんのかた）
- 小督局（こごうのつぼね）
- 長勝院（ちょうしょういん）
として知られています。
天文17年(1548年)に、現在の知立神社・永見貞英(志摩守)の娘として生まれたお万は、その当時から、万、松、菊子、於故満、於古茶(おこちゃ)、小督局等、多くの名前があったようですが、
見聞録に収録されている状写には、「おこちゃ」と記されており、当時は「おこちゃ」と呼ばれていたとされます。
家康とは従妹同士の関係
また、お万の母親は、水野忠政の娘。
お万は於大の方の姪にあたり、家康とは従妹の関係でした。
家康の正室・築山殿の待女として働いていたといわれるお万。
（浜松城で仕えていたとの説もあります）
家康の情けを湯殿で受けて懐妊したと伝えられることが多いようです。
家康の子を妊娠したお万ですが、築山殿が側室として認めなかったため、岡崎でも浜松でもなく、
遠江国敷知郡宇布見村の中村正吉の屋敷で出産したとのこと。
お万の懐妊と出産に関しては次のような逸話が伝えられています。
- 築山殿が激しく怒り、お万に対し厳しい折檻をした
- このとき本多重次が助けて中村正吉に匿わせた
しかし、これらはあくまで逸話であり、お万が中村家に預けられたのは
- 浜松城の普請が重なり城内が安定せず落ち着かなかったこと
- 築山御前への配慮のため
といわれています。
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家康とお万の方の子供は誰？秀吉の養子に？
1574年(天正2年)2月8日に、遠江国敷知郡宇布見村の中村正吉の屋敷で出産をしたお万。
生まれたのは双子の男の子でした。
永見貞愛（ながみさだちか）と於義伊（おぎい）（於義丸）のちの結城秀康です。
当時、双子や三つ子などの多胎児は「畜生腹」と呼ばれ、忌み嫌われていた時代。
お万の子供たちは、生まれて間もなく別々に育てられることになります。
家康とお万の子供①「永見貞愛」
子供のひとりは、お万の方の実家に預けられました。
父親から神職を譲られた「永見貞愛」（ながみさだちか）です。
（前述したように、双子は不吉とされたので幼くして亡くなったと伝えられたとのこと）
実際には、永見貞愛は、1604年、31歳で亡くなりました。
晩年には足が不自由になっていたと伝わっています。
家康とお万の子供②「於義伊～のちの結城秀康」
もう一人、お万の元で育つ子どもも、しばらく家康から認知されずにいました。
3歳のときに、異母兄である信康のとりなしによって、初めて家康と面会。
その際、於義伊（おぎい）という幼名を与えられました。
名前の由来は、家康が「『ギギ』という魚に似ている」と言ったため、とも伝わっています。
1579年(天正7年)、武田軍と内通しているとして、正室の築山殿が殺され、息子の信康が切腹します。
その後、ようやく家康の子として認知されることに。
家康の後継ぎになるかと思われますが、1584年の小牧・長久手の戦いの後に、豊臣秀吉の養子（人質）として出されます。
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羽柴から結城秀康、そして松平姓に
秀吉の養子となった於義伊ですが、大坂では秀吉からわが子のように可愛がられたそうです。
秀吉の「秀」と家康の「康」の字を与えられて元服し、羽柴秀康と名乗るようになりました。
秀康は、武将として厚遇されますが、秀吉の後継ぎになることは当然できません。
当時、秀吉に養子縁組を願い出ていた、関東の当主・結城晴朝（はるとも）のところに、秀康は送られることになります。そして、結城秀康となりました。
武勇に優れていた秀康は関ケ原の闘いでも功をあげ、越前を与えられます。
たちまち約70万石の大名に立身し、姓を松平に戻したのです。
お万の方の最期は？
お万は、しばらくは中村家にいたと考えられていますが、秀康が越前に行ってからは、そこについていき、ともに越前で生活をしていたといわれています。
1607年(慶長12年)秀康が34歳で亡くなると、お万は剃髪し、長勝院として余生を送ります。
このとき、出家について家康の許しを得ることもなく、またお咎めもなかったそうです。
元和5（1619）年に72歳でその生涯を閉じたお万の方。
墓所は福井県の永平寺にあり、高野山奥には、お万の方と息子たちの名が刻まれた石廟（せきびょう）が並んでいます。
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どうする家康でお万の方を演じるのは松井玲奈！
NHK大河ドラマ「どうする家康」で、お万の方を演じるのは、大河ドラマ初出演となる松井玲奈さん！
1991年(平成3年)7月27日生まれの31歳。
愛知県豊橋市の出身です。
名古屋を拠点として活動する、元女性アイドルグループSKE48のメンバーで、乃木坂46のメンバーも兼任していましたね。
現在は、タレント、女優、YouTuber、小説家として幅広く活動されています。
松井玲奈さん演じるお万は、2023年の大河ドラマ「どうする家康」第19回に登場。
戦がひと段落した家康が、お風呂でくつろいでいるときに、お万との出会いを果たすようです。
「神秘的で妖艶な魅力が漂い、武田信玄との激戦で疲れた家康の心の隙間に入り込む」というお万。
お万を演じる松井玲奈さんは、次のようにコメントされています。
「お万は、戦いで疲れた家康を癒やす、柔らかい役だと感じていますが、奥には強い信念を持ち、前を向き踏み出そうとする女性に感じました。彼女の語る展望は、今の世の中にも通じるものであり、私は深く共感しました。臆することなく、言葉ひとつひとつに想おもいを込めて演じたいと思います」
引用：モデルプレス
以上、今回は、徳川家康の側室、お万の方の生涯や子供についてご紹介しました。
家康の側室というよりも、結城秀康の母として人生を全うした印象ですが、どうする家康ではどんなお万の方が描かれるのか、楽しみです。
また、どうする家康では、結城秀康も登場するのでしょうか？
秀康役のキャストは公式に発表されていませんので、ちょっと難しいかもしれませんが、期待したいですね。
お万の方を題材にしたこちらの小説も面白いですよ！
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