朝ドラ『あんぱん』に、第11週から登場する八木信之介。演じるのは人気俳優の妻夫木聡さん!
軍隊で主人公・崇と出会い、影響を与えるという重要な役どころですが…この八木信之介って、実在の人物がモデルなんでしょうか?
この記事では、
- 八木上等兵のモデルとなった実在の人物や実話エピソード
- 崇との関係、
- 八木信之介を演じる妻夫木聡さん
について詳しくご紹介します。
八木信之介のモデルは誰?候補は2人の実在人物
朝ドラ『あんぱん』に登場する八木信之介上等兵は、主人公・柳井崇の軍隊時代の先輩であり、戦後も彼とその妻・のぶに大きな影響を与える重要な人物です。
ストーリーの中ではどのように描かれるのか気になる方も多いと思いますが、八木信之介のキャラクターには、やなせたかし氏の実体験が色濃く反映されていると考えられます。
八木上等兵のモデルは2人いた?
八木信之介のモデルは、実在の2人の人物が基になっているとされています。ひとりは、サンリオの創業者・辻信太郎氏。もうひとりは、やなせたかし氏が軍隊時代に出会った先輩・新屋敷上等兵です。
モデル候補①辻信太郎
辻信太郎氏は、1960年代に山梨シルクセンター(後のサンリオ)を設立し、出版部門もない会社でやなせたかし氏の詩集『愛する歌』を出版しました。やなせ氏はその経緯について、著書『アンパンマンの遺書』の中でこう語っています。
「山梨シルクセンターの辻信太郎社長と知り合い、『うちで詩集を出版しましょう』と声をかけて下さった。出版部もなければ編集部員もいない状態だったが、詩を愛する気持ちで実現してくれた。」
出典:『アンパンマンの遺書』
辻氏は学生時代に西條八十の詩集『蝋人形』を愛読していた詩人肌の人物であり、その感性が後のサンリオの文化的な体質、「みんななかよく」という理念にもつながっています。
モデル候補②新屋敷上等兵
やなせたかし氏が入隊したのは、小倉の野戦重砲連隊。そこで出会った新屋敷上等兵は、三年兵として“鬼屋敷”と恐れられていた一方で、やなせ氏にとっては守ってくれる心強い存在でした。やなせ氏は次のように回想しています。
「ぼくは新屋敷上等兵殿の戦友にされた。三年兵で鬼屋敷と呼ばれて恐れられていたが、なかなかの快男子で、特に馬の扱いには優れていた。」
「上等兵殿が風よけになって、いくらかリンチの嵐は防げた。」
出典:『アンパンマンの遺書』
軍隊内での孤独と理不尽の中、新屋敷上等兵はやなせ氏にとっての“人間らしさ”の象徴でした。
スポンサーリンク
詩集『愛する歌』に込められたやなせたかしの想い
1966年に刊行された詩集『愛する歌』は、読むためではなく「歌うため」の詩であることが特徴です。やなせ氏はこの点について、あとがきで次のように記しています。
「この詩集にある詩は、読むためというよりも“歌う”ことを意識して書きました。」
(『愛する歌』あとがき)
音やリズムを通じて感情が直接伝わる“歌”という形式を選んだことに、彼の表現へのこだわりが表れています。
『愛する歌』には、子ども向けの詩と大人向けの詩が交互に並べられており、そこには世代を超えたメッセージ性が感じられます。戦後の苦しみを知る世代に向けた慰めであり、未来を生きる子どもたちに向けた希望でもあるのです。
八木信之介という人物像は、象徴だった?
八木信之介は、辻信太郎や新屋敷上等兵といった実在の人物を元にしながらも、やなせたかし氏にとっての「救いの存在」「信じる価値のある人間像」の象徴ともいえる存在です。
戦場という極限の環境下でも、言葉や思いやりが人を救うことがある——その体験が、信之介というキャラクターに詰め込まれているのではないでしょうか。
スポンサーリンク
「あんぱん」での八木信之介と崇の関係とは?
ドラマ『あんぱん』の中で、八木信之介と柳井崇は軍隊という過酷な環境で出会い、その後の人生にまで影響を与え合う深い関係を築いていきます。信之介はただの上官ではなく、崇の内面を見抜き、そっと背中を押すような存在として描かれています。
軍隊での出会い:上等兵と初年兵の関係
崇が配属されたのは小倉の連隊。
そこで出会ったのが上等兵の八木信之介でした。軍隊生活に不安を抱えていた崇にとって、信之介の存在はありがたいものでした。厳しいながらも、信之介は崇に理不尽な仕打ちが向かないように配慮したり、詩や文学に共感する一面を見せたりと、少しずつ崇の心を開いていきます。
この流れは、やなせたかしが語った“新屋敷上等兵”との関係に通じるところがありますね。
八木上等兵が崇を“詩人”として見抜いた重要な存在
八木信之介は、崇の内面に秘めた文学的な感性をいち早く感じ取った人物でもあります。軍隊という場では珍しく、崇の持つ詩集や表現に対して否定ではなく理解を示します。
こうした描写は、やなせたかしが戦後に出会った辻信太郎が、自作の詩に真っ直ぐ耳を傾けてくれたことと重なる部分があります。詩を通して人を見つめ、未来を信じる姿勢が、信之介の在り方に重なって見えるのです。
戦後の再会とその後の関係
ドラマでは、戦後に八木信之介と柳井崇が思いがけず再会を果たします。再び接点を持ったことで、信之介が崇のその後の歩みにどんな影響を与えていくのか、気になる展開が続いていきそうです。
そして、のぶとの関係にも何らかの関わりがあるのか——そんな期待も高まります。
やなせたかしの詩の世界を信じ、出版を後押しした辻信太郎のように、信之介も誰かの背中を押す存在として描かれていくのか。今後の物語がどう進んでいくのか、注目して見ていきたいですね。
スポンサーリンク
八木信之介を演じるのは俳優・妻夫木聡さん
ドラマ『あんぱん』で八木信之介を演じているのは、人気俳優・妻夫木聡さん。
ここでは、配役が発表されたときの反響や、これまでの代表作、そして信之介という役柄にぴったりな理由を紹介します!
配役発表時の反響
2025年6月6日放送の第50話で、ついに信之介が登場!その登場シーンはわずか1分ほどでしたが、「姿勢を正せ!」の一言で、SNSがざわつくほどのインパクトを残しました。
「朝からビビった」
「軍人すぎる!」
「妻夫木聡、恐るべし」
などの声が相次ぎ、トレンド入りするほどの話題に。
妻夫木聡さんのこれまでの代表作
爽やかな青年役のイメージが強かった初期から一転、今では重厚な人間ドラマも任される実力派に。
映画『悪人』では加害者でありながらも苦悩を抱える青年を熱演し、見事に日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を獲得。
『ある男』では“人の正体”に迫る弁護士役で、繊細で深みのある演技を見せてくれました。
演技力の幅の広さは折り紙付き。「役に溶け込むのがうまい」と評されるのも納得ですね。
「厳しさ」と「優しさ」を併せ持つ八木信之介役にぴったり
信之介は、軍隊の厳しい上官という顔と、詩や文学を愛する繊細な一面というギャップを併せ持った役柄。こういう“ギャップのある役”を自然に演じられるのが、妻夫木さんのすごいところです。
本人もインタビューで「役のためなら何でもやる」と話しているように、役作りにはとてもストイック。信之介の厳しさも優しさも、きっと丁寧に表現してくれるはずです。
以上、今回は朝ドラ『あんぱん』に登場する八木信之介のモデルについてお伝えしました。
信之介は、やなせたかしさんの実体験に登場する“新屋敷上等兵”や、詩集『愛する歌』の出版を支えた“辻信太郎さん”といった実在の人物をモデルにした、奥深いキャラクターです。
軍隊という厳しい世界で出会い、戦後も人生に影響を与える存在として描かれるその姿には、「人と人とのつながり」の大切さがにじみ出ています。
そして、そんな信之介を演じる妻夫木聡さんの存在感もまた圧巻。厳しさの中に宿る優しさを、繊細な演技でどう表現してくれるのか、今後の放送がますます楽しみですね。
こちらもCHECK