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らんまん大畑義平のモデルは太田義二!牧野富太郎との関係や石版印刷について

2023-05-31

2023年4月にスタートした朝ドラ「らんまん」。

第46話からは万太郎が出入りする印刷工場の主人・大畑義平が登場しますね。

今回は、大畑義平のモデルとなっている実在人物・太田義二についてリサーチ。

牧野富太郎との関係や作品を紹介します。

 

らんまん大畑義平のモデルは太田義二!何をした人?

NHK朝ドラで放送されている「らんまん」では、東京神田にある大畑印刷所の主人・大畑義平が登場します。

奥田英二さんが演じていらっしゃいますね。

らんまん大畑義平のモデル

 

大畑義平の実在モデルが誰なのかリサーチしたところ、「太田義二」という人物が有力と考えられます。

 

太田義二ってどんな人?

太田義二さんは、東京神田錦町の印刷所を営んでいた主人です。

生誕などは不明ですが、作品が残っていることから、自らも印刷職人であったと考えられます。

 

太田義二の作品は?

太田義二さんの石版印刷の作品として、明治15年頃から21年頃の作品の記録が残されています。

「歴史資料館収蔵資料目録」の第20集に収録されている「帝国貴顕御肖像」には、多色石版印刷が用いられており、明治天皇と昭憲皇后の珍しい史料とされています。

また、描かれた明治ニッポンの石版画の時代では、「母子像」が展示されており、写真でもない、絵画でもない、これが近代庶民のリアリズムと紹介されています。

 

太田義二さん自身の出自など具体的なことは残っていませんが、牧野富太郎に石版印刷の技術を伝える等、牧野富太郎の生きざまに大きな影響を与えたことは確かなようです。

牧野富太郎さんとどのような関係があったのか、みていきましょう。

 

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太田義二と牧野富太郎の関係

牧野富太郎と大畑義平モデル太田義二の関係は?

牧野富太郎さんは、大学の植物学教室で研究する中、植物学雑誌を発刊することを考えますが、

その技術を学ぶため、東京の神田にある太田義二が経営する印刷所を訪れます。

 

その頃、牧野富太郎さんは、植物図鑑を生涯の仕事として考えるようになっていたのです。

故郷の土佐佐川には石版印刷所はなく、土佐で出版するより、東京でと考えます。

牧野富太郎さんは、太田義二の印刷所には1年~1年半ほど稽古に通い、技術を身に付けたそうです。

 

朝ドラの中では、大畑義平は、元江戸の火消しで、血の気が多い江戸っ子と紹介されていますね。

そのモデル太田義二さんも、牧野富太郎さんの熱意を意気に感じたのではないでしょうか。

 

牧野富太郎さんは、印刷機も購入したといいます。

 

さらに、太田義二さんは、牧野富太郎が一目ぼれした駄菓子屋の娘・小沢寿衛子との縁を取り持つなど、牧野富太郎の人生に大きく関わっています。

 

牧野富太郎さんの自叙伝には次のような記述もあります。

青年のころ私は本郷の大学へ行く時その店の前を始終通りながらその娘を見染め、そこで人を介して遂に嫁に貰ったわけです。仲人は石版印刷屋の親爺――というと可笑しく聞えるけれど、私は当時大学で研究してはいたが何も大学へ就職しようとは思っていず、一年か二年この東京の大学で勉強したらすぐまた土佐へ帰って独力で植物の研究に従事しようと思っており、自分で植物図譜を作る必要上この印刷屋で石版刷の稽古をしていた時だったので、これを幸いと早速そこの主人に仲人をたのんだのです。まあ恋女房という格ですネ。

引用:牧野富太郎自叙伝

牧野富太郎さんの結婚の仲人も引き受けた太田義二さん。

太田義二さんの協力があり、牧野富太郎のパートナーとなる、寿衛子夫人との結婚に結びついていたのですね。

 

牧野富太郎さんは、太田義二さんとの出会いがあったからこそ、世界に通用する植物学雑誌が世に出たともいえるでしょう。

 

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らんまんに出てくる石版印刷ってどんな技術?

石版印刷は、現在の印刷技術で使われている、平版印刷の元になった印刷技術です。

18世紀末期に発明された石版印刷は、別名「リトグラフ」とも呼ばれ、ドイツのゼネフェルダーにより発明されました。

 

石版印刷には石灰石が使われますが、石灰石の多孔性で水分を長く含む性質が利用されています。

もともとは、元々は、インクを練る台として使用されていた石灰石。

炭酸カルシウムが主な成分で、水分の保持が良く、また脂肪分との馴染みが良いことが特徴です。

 

この石灰石を凸版印刷に利用するために試行錯誤していましたが、水と油の反発を利用することで、平版印刷が可能となります。

石灰石の平面に水分を含ませ、その上に絵柄等の印刷したいインクをのせると、絵柄の部分だけが用紙に転写できるというシステムですね。

 

従来の印刷方法では、例えば木版なら凸、銅板なら凹のように、凹凸を掘る作業が必要でした。

しかし、石版石であれば凹凸を設けずに印刷することが可能となり、花などの絵柄を自由に描くことができたのです。

 

当時、海外では絵画が盛んな時代背景もあり、石版印刷が発展したようです。

また絵画の場合は、多色印刷が可能で、最適な印刷技法でした。

 

一方で、デメリットも。

当時の石灰石は高価で、重量もありました。

なので、印刷後に石灰石を平らに削り落として、再利用しています。

 

牧野富太郎が石版印刷を学んでいた時代は、紙の質も荒い時代ですが、優れた印刷技術で、植物の接写を再現していたと考えられます。

 

以上、今回はらんまんに登場する大畑義平のモデル「太田義二」についてご紹介しました。

奥田英二さん演じる大畑義平。

らんまんではどんな役になるのか、楽しみですね!

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