らんまん大窪のモデルは大久保三郎！牧野富太郎と偉業を成し遂げる！

2023年4月スタートのNHK朝ドラ「らんまん」。

東京大学の植物学教室では個性豊かなキャラクターが登場していますが、今回はその中でも大窪昭三郎助手をピックアップ。

大窪のモデルと思われる「大久保三郎」がどんな人物だったのかリサーチしました。

らんまん大窪のモデルは大久保三郎！どんな人？

らんまんで、万太郎が東京大学に初めて来たときは、助教授・徳永の腰巾着のような存在だった助手の大窪昭三郎。

今野浩喜さんが個性的に演じていらっしゃいますね。

大窪昭三郎のモデルとなっている人物は、「大久保三郎」という植物学者です。

出典：日本植物研究の歴史

大久保三郎の経歴

どんな人物なのか、まずは経歴から、みていきましょう。

駆け足でみてきましたが、帝国大学では主に松村任三と並んで矢田部教授の補佐をしていました。

その中で、植物標本室と植物園の充実に努めています。

牧野富太郎と連名でヤマトグサを発表

大久保三郎は、明治20年に他の研究者と共に伊豆諸島に植物調査と採集に出ています。この調査で、大学の植物標本室に初めてこの島々からの植物を持ち込むことができました。

また大久保三郎の最大の功績として、牧野富太郎と連名で行ったヤマトグサの発表が挙げられます。

明治23年（1889年に、「植物学雑誌」にヤマトグサを発表しましたが、これは日本人が初めて、日本の学術雑誌に日本固有種の植物を名付けたものとして注目されました。

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破門草事件の目撃者

また、大久保三郎はトガクシソウ（トガクショウマ）を巡る名づけ事件の目撃者でもありました。

破門草事件についてはこちらの記事↓↓に詳しくご紹介しています。
⇒「トガクシソウ(破門草)」事件とは？発見者は？

牧野富太郎氏の自叙伝によると、当時植物学教室に出入りしていた伊藤篤太郎に、矢田部教授宛てのマキシモヴィッチ博士からの手紙を見せたのは、大久保三郎だったようです。

大久保三郎は、「お前が先に名を付けたりしない」という約束をして、篤太郎に手紙を見せましたが、伊藤篤太郎はその約束を反故にして新種としてイギリスの植物学雑誌に発表。

これに矢田部教授と大久保三郎が激怒し、伊藤篤太郎に対して教室の出入りを禁じました。

オオクボシダ

また、大久保三郎にちなんで名づけられた植物もあります。

ヒメウラボシ科のシダ「オオクボシダ」です。

この植物は、1879年頃、当時東京博物局にいた小野職愨皷という人が、那智山系で採取したのが最初で、コケシダと呼ばれていました。

その後、大久保三郎が箱根で採集し、1891年に矢田部良吉教授が「オオクボシダ」と命名したそうです。

牧野富太郎氏は、このオオクボシダについて次のように述べています。

東京大学植物教室の大久保三郎氏がこれを相州箱根の蘆の湯附近で採ったのはずっと後の事で、すなわちこれは本品第二の発見である。この大久保氏がこの羊歯を採集した時分、その標品を検定しそれに命名した同大学の矢田部良吉氏は、上に記した紀州での出来事を知らなかったものだから、本羊歯は正に大久保氏が発見したものと思って、それでそれをオオクボシダと名付けたのである。しかるに何ぞ料らん本羊歯は遠い前に既に博物局員によって紀州の地で発見せられかつ命名せられていたのであったとは、この羊歯についての重要な文献を見落していた矢田部氏はこの事実を知る由もなかった結果、独り僥倖をしたのは大久保氏であって同氏は我が姓の不朽を贏ち得たのである。それは単に和名のみならずその学名もまた「ポリポジウム、オオクボイ」であった。

引用：牧野富太郎『植物記』

植物ひとつの名をとっても、その背景には様々なストーリーやドラマが繰り広げられていて、面白いですね。

矢田部氏をモデルとした、らんまん田邊教授の「シダ好き」にも関係するのでしょうか？

こちらのエピソードもらんまんに登場して欲しいです。

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らんまん｜大窪昭三郎役は今野浩喜！

さて、らんまんで、どうしても憎めないキャラ「大窪昭三郎」を演じているのは、今野浩喜さん。

お笑い芸人ですが、最近は俳優として大活躍！

「らんまん」への出演は、「まんぷく」「エール」に続く朝ドラ3作目となります。

らんまんでは、何かを企んでいそうなずる賢い感じもすれば、万太郎に結果的に協力するという愛すべき一面もみせた大窪昭三郎。

最終的に万太郎の敵となるのか、味方となるのか、興味深いですね！